CITY SURVIVAL

■放射能汚染から身を守るために

 これは、将来自分とその家族のためにアップロードしておきます。
 恐い放射能汚染から身を守るために、放射能のメカニズムをよく知り、以下にあげる薬品類を準備しておき、その日に備えておくこと。

放射線のメカニズム

 核爆発はその周辺にあるものすべてを放射性物質に変えてしまう。たとえば炭素(12C)のような普通の物質も、過剰なエネルギーを与えられることにより、高いエネルギーを持った放射性同位体≪ラジオアイソトープ≫14C)に変化してしまう。するとこの原子は、余分なエネルギーを放射線の形で放出するのだ。
 たとえばヨウ素などは、この過剰エネルギーの放出期間が比較的短く、2週間ほどで元に戻るが、14Cの場合は5730年も放射能が残る。しかし、ほとんどの物質は、ヨウ素のように素早く元に戻る。
 ただし、中にはいつまでも長い期間、放射能をおびたままの物質があり、それがまた人体に対してきわめて危険なことがあるので注意が必要だ。大半の放射性物質は人体内に取り込まれても、数時間以内に排出されるので、2〜3週間もすれば体内には残らない。しかし、体は汚染された物質とそうでない物質の区別がつかないため、14Cなどいくつかの物質は排出されずに筋肉、骨、血液の中に組み込まれてしまう。これが放射線病を引き起こすのだ。ただし念のためにいっておくけど、14Cというのは自然界にはどこにでもある放射性同位体なので、この物質が危険だというわけではない。次にあげる物質が要注意である。
●ストロンチウム90(90Sr)
これはカルシウムとよく似た同位体のため、体はカルシウムと間違えて骨組織に取り入れてしまう。その結果造血作用が破壊され貧血を招き、ガンとなり、結果的には死亡する。
◇予防策:必要量以上のカルシウムを摂取すること。あらかじめ体が必要とする量以上のカルシウムを摂取しておくことにより、万一90Srが体内に入っても、2日程度で排出される。

●セシウム137(137Cs)
この物質は筋肉組織に組み込まれる傾向がある。放射能に汚染された食肉を食べることにより、体内に取り込まれる。
◇予防策:なるべく保存食料だけを食べること。どうしようもなく動物を食べるときは、できるだけ汚染されていない地域の草食動物にする。淡水魚や肉食動物は137Csが濃縮されているため、絶対に食べないこと。

●ヨウ素131(131I)
ヨウ素は通常、成長ホルモンの合成のため、甲状腺に吸収される。この放射性ヨウ素131は、植物の葉に蓄積されているため、これを食べた牛が出す牛乳に含まれている。この同位体の半減期は8日と短いが、その間に放出するエネルギーはきわめて大きいため、注意を要する。
◇予防策:甲状腺と結合するのを防ぐ意味で、ヨウ素カリウム錠を飲んでおくこと。
 そのほか、放射能汚染された食料を食べなくても済むように、十分な備蓄食糧ビタミンミネラル物質を用意しておくこと。特に、ビタミンK鉄分は大切である。もちろん、安全な水も用意しておくこと。また、抵抗力が落ちたときに細菌に感染することが考えられるため、抗生物質も用意しておく(注意・抗生物質は使用期限があるため、常に見直すこと。テトラサイクリンは使用期限を過ぎると逆に毒性を持つ!)。

放射線病の形態について

 特に気をつけなければならないのは、細胞分裂が活発な部分ほど放射線の影響を受けやすいということだ。たとえば、造血組織(リンパ組織、骨髄、胸腺、脾臓)、生殖細胞、消化管上皮、皮膚細胞、目、肺など。甲状腺、副腎などの分泌器官も放射線に弱い。
被曝の程度
線量当量
病名発症と死亡までダメージを受ける部分症状
T
100Sv以上
中枢神経系症候群(CNS)3日以内脳や脊椎の神経感覚の喪失、筋肉の麻痺、頭痛、昏睡、てんかん性発作、けいれん
U
10〜100Sv
胃腸症候群(GIS)7〜10日以内消化器系の上皮細胞血便、嘔吐、下痢、虚脱状態、潰瘍、敗血症、感染症
V
3〜10Sv
血液生成症候群(HS)20日以降骨髄疲労、再生不良性貧血、酸素欠乏、出血、感染症
≪参考≫ 1Sv(シーベルト) = 100 rem(レム)  1 rem = 10-2Sv = 10 mSv

放射線の種類について

 通常、放射線粒子はわたしたち人体に影響を与えない。それは自然界においてはごくありふれた存在で、わたしたちは常日頃から放射線に身をさらしている。宇宙空間からも絶え間なく降り注ぐし、地中の岩石からも発生している(ラドン温泉などはこのいい例である)。ただし、この場合の放射線はきわめて微少なために、ほとんど体内を素通りしてしまうか、問題にならないレベルである。だが、非常にわずかな確率で、細胞内の大切な部分にぶつかった場合、たとえばそれが分裂中の染色体であったりした場合は、その細胞は死滅するか、悪ければガン細胞のようなものに変化するかもしれない。しかし、放射線を大量に浴びない限り、このようなケースはあまり恐れることはない。通常に暮らしているときに、放射線の心配をする必要はまったくない。
 わたしたち人体の大部分を構成している水分に放射線粒子がぶつかった場合、正常な水分子H2Oは容易に過酸化水素H2O2に変化してしまう。これは細胞にとってきわめて有毒であり、細胞を殺し、またはDNAなどを破壊する。
 このように、放射線を浴びた場合、素粒子による直接的なダメージと、過酸化水素による毒性という、2通りのダメージを受けてしまう。
質量の小さい順構成飛距離透過力遮蔽物
γ(ガンマ)放射線波長10億分の1センチほどの電磁波厚い鉛板
X線電磁波厚い鉛板
β(ベータ)放射線電子または陽電子薄い金属板
中性子線中性子水(特に重水)、カドミウム
α(アルファ)放射線陽子2個と中性子2個からなるヘリウム原子核
※γ放射線とX線は電磁波の一種なので、質量はない(光子とか持ち出されるとまったく質量ゼロとはいえなくなるのだけど…)

- October 11, 1999 improved -

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